プロセス思考

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プロセス思考

プロセスは目に見えない

プロセスは目に見えないからこそ、可視化の技術が必要です。 ひとたびプロセスが端から端まで隙間なく可視化されれば、 問題の原因は必ず見つかり、 プロセスが生み出す目的も明確になり、 目的に照らした効率的・効果的な改善が可能になり、 誰でも改善後のプロセスを実行できるようになります。


プロセス設計

ビジネス設計→サービス設計→プロセス設計

ちゃんとお金が儲かる「ビジネス」を設計し、 次に、顧客に支持される「サービス」を設計した上で、 ビジネスとサービスを実現する「プロセス」を設計するのです。 この順番を守らないと、 儲からないプロセス、 顧客に支持されないプロセスを、 回し続けることになってしまいます。


プロセス改善

分析せずに改善に飛びつくな

問題原因を分析せずに、「やりやすい」「かっこいい」といった あいまいな理由で、特定の改善施策に飛びついてしまうと、 資金や労力をかけても、さっぱり問題が解決しない、 ということになりがち。 「分析なんかしなくても、経験や直感で、 この施策が正しいに決まっている」と 特定の改善施策に飛びついた場合、 確かに上手く行くこともあるが、 上手く行かなかった場合、 なぜ上手く行かなかったのかが分からない。 また、経験と直感で施策を選んだ人が 全ての責任を負わねばならなくなる。 改善施策を検討する前に、 問題原因を分析すること。

人は忘れる生き物

「1.これを成し遂げよう」「現状を 2.可視化・ 3.測定し、4.原因も分析した」「では、その原因をピンポイントで射貫く 5.改善策を考えよう」…ここまで順番に改善活動を進めてきても、ひとたび改善策の検討に入ると、これまでの検討経緯が脳に収まらなくなり、目の前の施策を「ラクに実現できそうなこと」「なんとなくカッコいいと思えること」「自分の趣味に合うこと」に捻じ曲げてしまう人や組織が、実に多い。

だから、1.目標定義は「プロジェクトチャーター」に、2.可視化は「プロセスチャート」に、3.測定は「グラフ」に、4.分析は「コントロールインパクトマトリクス」に、中間成果物として文書化しておかねばならない。人は、忘れる生き物だから。

こういう方法論(進め方と中間成果物の定義)を持たずに改善・改革活動を我流でやっている人や組織は、何度でも失敗を繰り返す。確かに勘と経験と度胸で、偶然良い改善策を探り当て、スピーディーに成功できることもある。だが、それはあくまで個人技だったり偶然だったりするわけで、再現性は無い。そして、上手く行かなかった時に、「1.目標定義」「2.可視化」「3.測定」「4.分析」の、どこが不十分だったのか、反省することすらできない。

もし、改善・改革活動をやってはいるが、やり方自体は我流・現場任せ、という企業があるなら、それは経営者の怠慢と言うほか無い。人と時間を使って行うプロジェクトなのだから、自社に合った方法論を採用し、研修も行い、社内に展開し、効率的・効果的に進めるべきだ。

プロセス思考の「改善7ステップ」は、入門編としてオススメだが、本格的に「リーンシックスシグマ」を展開したっていい。検証済の方法論なら何でもいい。とにかく、我流はダメ。


プロセス実行

先ず整理整頓を

日々繰り返されるプロセスの実行において、何が大事かって、実行環境が整理整頓されていること。乱雑な場で実行して、効率や効果が上がるはずがありません。 まずは、整理整頓!


業務マニュアル

プロセスを憎んで人を憎まず

業務マニュアルが無いと、何か問題が起きた時に、 放っておくわけにはいかないので、 犯人を捜して叱るくらいしか、することがない。 業務マニュアルがあれば、みんなで 問題個所を捜し、プロセスのどこをどう改善するかを 一緒に知恵を出し合って検討することができる。 この差は大きい。


KPI

KPI は経営と現場を噛み合わせるツール

KPI は、経営と現場の努力を噛み合わせ、顧客に向かって整列するためのツールである。経営者が現場担当者を縛り上げるための仕掛けでは無い。

KPI は、組織の健康診断。期末に怒られないように適当な数字を調整し報告するだけでは意味がない。「測り続ける」仕組みになっていなければ。

  • オンライン研修:KPI
  • 動画教材:KPI

改革組織設計

組織はプロセスで出来ている

せっかくの戦略・組織構造・制度ルールが、「絵に描いた餅」になっていませんか。 せっかくの人材・ITシステム・データが、「宝の持ち腐れ」になっていませんか。 これらを束ね、価値を顧客に届ける「プロセス」を、 公式の標準業務マニュアルとして資産管理する手間を、惜しんでいませんか。 「業務マニュアルなら作っています」だけではNGで、標準プロセスの責任者(=プロセスオーナー)が組織の中で公式な役割としてアサインされていなければ意味がありません。(なお、中身も読まずに業務マニュアルの表紙に承認印を押す人をプロセスオーナーとは言いません。) 時代の変化に合わせて業務プロセスも複雑になっていて、「現場でどんな業務プロセスが実行されているのか、良く分からない」「作業は属人化されていて、直属上司ですらプロセス効率を評価できない」というケースも少なくない。プロセスの効率化・標準化は、現場任せではなく、組織的に取り組むべきなのです。

人手不足ではなく、プロセス思考不足

「基本技術は既に持っていて、短期のOJT で見様見真似で即戦力になってくれて、細かい指示などしなくても、黙々と仕事をこなす人材が欲しい。できる限り低い給料で、可能なら文句も言わず栄養ドリンク片手に24時間働ける人材が。」…実は、そういう人材は、昭和の頃は結構いた。

令和の時代に、一律そういう人材を求めるのは無理がある。標準業務プロセス(=自社なりの仕事のやり方)や職務定義(=自社なりの仕事の責任範囲)が明確になっていて、適切に人材やIT・システムを配置し、それに見合う費用が(人に対しては給料が、システムに対しては保守費が)支払えるように、顧客に対する対価を設定する。そのために製品やサービスを改善し続ける。…いわば、ビジネスの基本に忠実になる必要があるのだ。


改革人材育成

改革人材のタイプと育成原則

人を育てるセオリーは、子供でも部下でも同じ。 可能な限り部下の自主性に任せよう。 そのためにはコーチング技法が役立つ。

人間誰しも、自分からやると言ったことは極力守ろうとするし、 言われて嫌々やっていることは知恵を絞って最大限サボろうとする。 可能な限り、やるべきことを、本人の口から言わせるように。 時には厳しく叱ることも大事だけれど、基本、 また、人は、適切なタイミングで褒めたり感謝の言葉を述べたりしていれば その行動を繰り返そうとする生き物であり、 自然と伸びていく。 一方、子供や部下は、意外と自分の現在位置が分からない。 全体を俯瞰して課題を因数分解し一段一段上がっていける道を 設計してあげる(ハードルを分割してあげる)のは、親や上司の役割。


プロジェクトマネジメント

理と情が車軸の両輪

ロジックだけで縛り上げても、プロジェクトを成功させられることもある。 しかし、メンバーは疲弊し、二度とあなたの下で働きたいとは思えなくなる。 自由な発言が重要な改善・改革プロジェクトでは、 メンバーの情に配慮し、心理的安全性を確保し、 丁寧にチームビルディングすることが大事。 それもまた、プロジェクトマネージャの仕事。


ファシリテーション

アジェンダに命を込めろ

アジェンダの無い会議を開いてはいけない。


ロジカルシンキング

ロジカルシンキングは相手のため

ロジカルシンキングは、自分の理論武装のためではない。 相手の「わかった、なるほど、やってみよう」を引き出すための技術だ。


データ分析

データは雄弁

人の感想文は「へー」と思われて終わりだが、 事実を反映したデータを見れば、 誰もが様々なことを読み取りたくなり、 多くの知恵が生まれるようになる。 データは、そこにあるだけで、多くを語り掛けてくる。 データは雄弁なのだ。

グラフ!グラフ!グラフ!

数字の羅列から意味を読み取れるのは天才だけ。 データを得たのにグラフ化しないなんて、 データが泣いている。 表現したい観点に合わせたグラフを選ぶこと。 大雑把な割合なら円グラフ。 比較なら棒グラフ。 変化なら円グラフ。 慣れているからと、何でもかんでも棒グラフ、 というのでは、折角コストをかけて集めたデータから 得られる洞察が減ってしまう。 平均値を求めて一喜一憂するだけでは、 多くの情報を捨ててしまっている。 「データの姿」をグラフで可視化しよう。 数字を集めたら、グラフ!グラフ!グラフ!


心理分析

印象と事実は異なる

人間は、事実を事実のままに捉えることはできない。 どのように事実を歪めて理解するか、 その「癖」を知っておけば、 自分が誤ることも、誰かに騙されることも、少なくなる。

怒りは重罪

「怒り」は、ひとえに、無から 自分自身の心・自我が生み出した 身勝手な感情・幻想です。 「怒り」の爆発は、周囲にも伝染・拡大し、 自己・友情・家庭・組織を破壊する、重い罪です。

  • (例)モノへの八つ当たり(破壊)
  • (例)悪感情の伝染・拡大、人間関係の崩壊
  • (例)自身や他者の健康への悪影響
  • (例)職場環境・心理的安全性・生産性の悪化
  • (例)ハラスメント、組織の信用毀損
「怒り」の爆発は、積み重ねてきた社会的な信用を、一発で吹き飛ばします。 教育・指導で、正しく「叱る」のは良いですが、「怒る」のはダメです。

感情労働

実は私たちは日々、感情労働を強いられている。

  • 笑顔で接客する
  • クレームに丁寧に真摯に対応する
  • 上司を敬う
  • 取引先や部下に厳格な態度を取る
  • 同僚と適切な距離感を取る
  • 人前では怒りの爆発を抑える
  • 人前では泣きたくても我慢する
今は感情労働に明確に対価が支払われたりはしないが、肉体労働が機械に、頭脳労働が人工知能に、どんどん代替されていくと、生身の人間に残される価値としては感情労働の比率が高くなる。人柄、コミュニケーション力、共感力、信頼感などが、これまで以上に重要になるのだ。

感情労働のスキルを高めるには、心理学や脳科学の知識が欠かせない。自分や相手の精神のクセ(認知バイアス)を知り、自分や相手の心理を上手にコントロールできる人が、人工知能時代を生き残る人材だと言えよう。


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