process thinking
プロセス思考は、 着実に成果を出し、効率を上げ続けるための改革手法です。 一度身に着ければ、仕事に生活に、あらゆる場面で役立つ 一生モノの知識になります。
目次
■プロセス思考とは
- 「プロセス」とは:
入力から出力までの一連の作業のこと - 「プロセス思考」とは:
成果を出すために「プロセス」に着目する思考法- 結果だけでなく、結果の生み出し方に着目する
- 人やシステムだけでなく、一連の作業の組み立て方に着目する
- 「プロセス思考」でないもの:
- 「結果はともあれ、過程を大事にしよう」という言い訳
- 人を定型的な業務プロセスに縛り付けること
■プロセス思考のメリット
プロセスは【目的】から源流まで隙間なく遡った作業の連鎖なので、結果に対する全ての【原因】が含まれ、【実行】の全てが記述されている。【目的】が曖昧・【原因】が不明確・お題目で【実行】が伴わない企業・組織にとって【プロセス思考】は福音です
- 目的が明確になる
- 作業は誰の笑顔のために実施しているのかが明確になる
- 誰の笑顔のためにも役立たない作業をやめられる
- 原因を突き止められる
- 意識している作業と作業の隙間の原因を見つけられる
- 作業が始まる前に隠れている原因を見つけられる
- 合言葉「プロセスを憎んで、人を憎まず」
「誰が悪いのか」と犯人捜しをするのではなく、 「プロセスのどこを改善すれば良いのか」を考えるようになる
- 実行できる
- 戦略やミッションやルールだけでなく、 「一連の手続き」を明確にすることで、 具体的に動けるようになる
- 誰でも実行できる標準プロセスを文書化することで、 属人性を排除できる
■プロセス思考の学び方
◆ 著書『プロセス思考でビジネスが変わる』

2020年1月11日(土)(弊社 創立一周年記念日)に発行。
Amazon 販売サイト
新書版(本体800円+税)
電子書籍版(本体640円+税)
発行:幻冬舎メディアコンサルティング 発売:幻冬舎 ISBN978-4-344-92612-7 「プロセス思考でビジネスが変わる」 二〇二〇年一月一一日 第一刷発行 著者:𡈽方 雅之 第一章 あなたの生産性はまだまだ上がる 第二章 ミスが減る・ムダがなくなる・ヒトが動く 業務改革に必要な「プロセス思考」とは 第三章 仕事を見える化し、徹底的に改善 「プロセス思考」7つのステップ 第四章 ケースから学ぶ 実践「プロセス思考」 第五章 「プロセス思考」の体得で生産性は上がり続ける |
- 本書は、【プロセス思考】の入門書です。
- 個人でも始められるプロセス改善のエッセンスをまとめました。 具体例も豊富に記載してあります。
- いまさら「プロセスって何?」とは聞けない、と感じている方も、 一歩一歩読み進めれば、確実に理解できるように、 本書は編まれています。
- プロセス改善の重要性は十分理解しているが、 上司・同僚・部下の意識が合っていないので、改善が進まない、 という場合には、是非、周囲の方々に本書を勧めて下さい。
- 「働き方改革」「ダイバーシティ経営」「女性活躍推進」 「デジタルトランスフォーメーション」「タイムマネジメント」 「デザイン思考」「マネジメント力強化」「AI・RPA導入」 などの活動推進で、いざ「実行」に移す段になると 「プロセス改善・プロセス改革が必要だ」とだけ言われて 途方に暮れているあなたにも、おススメです。
- 「リーンシックスシグマ(LSS)」 「ビジネスプロセスマネジメント(BPM)」 「ビジネスアナリシス(BA)/エンタープライズアーキテクチャ(EA)」 など、高度なプロセス改善・管理・改革テーマに取り組みたい方も、 副読本・入門編として、本書を活用して頂けます。
◆ YouTube『プロセス思考チャンネル』
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チャンネル:
『
プロセス思考でニッポンを元気に』
- すべての動画一覧:YouTube教材ライブラリ
◆ ストアカ『プロセス思考教室』
- 教室:『 プロセス思考でニッポンを元気に』
- 【業務マニュアル】の 作り方・育て方・使い方
- 【ロジカルシンキング】で、改革の基礎体力を身につける
- 【KPI(重要業績評価指標)】の真髄に腹落ちする
- 【プロジェクトマネジメント】の本質とツールを体得する
- 【業務改革7ステップ】で仕事に革命を起こす
■お役立ち格言集
◆ 福音
- 何に決めるかに逡巡するよりも、 どうやって決定・合意するかの筋道を設計するほうが重要。 何に決まったかは、その時その環境の前提によるので、再利用できない。 一方、どのようなプロセスで決定・合意したかは、 将来もず~っと再利用できる。
- 人やシステムの性能ではなく、プロセスの効率を見よ。 手元の作業だけでなく、プロセス全体の繋がりを見よ。 自分の満足でなく、プロセス全体が誰にどんな価値を届けるのかを見よ。 …何故かって?人間は全部その逆をやりたがるから。
- 無理は続かない。必ず心身の健康を蝕む。 同じプロセスを気合いで高速回転させるのではなく、 同じ成果を無理なく達成できるようプロセス(やり方)を変えよう。 これは、仕事・教育・育児・介護・勉強・夫婦生活・友達関係・娯楽・運動、 何にでも当てはまる絶対則だ。
- なぜ人は動かないのか。 「戦略に沿え」「ルールに従え」「システムを使え」などの掛け声だけでは、 「沿い方」「従い方」「使い方」すなわち「プロセス」が伝わらないからだ。 「そんなのは現場で考え工夫することだ」と思ったあなたは、人を動かせない。
- 「プロセス思考で“無い”もの」の例を示そう。 失敗した相手に、 『二度とこのようなことが無いよう、注意徹底してください』 と言うこと。失敗の原因も不明、対策も検討しない、 再発防止の仕組みをプロセスに組み込んでもいない。 …多分、また、やらかすだろう。
- 【プロセス思考】は、魔法の杖では無い。 特効薬でも劇薬でも麻薬でも銀の弾丸でも無い。 だが、 「あなたの望む状態に、効率よく到達できる、失敗しづらい方法」を 提供する。 (間違った戦略にプロセス思考を適用すれば、 間違った地点に素早く確実に行ける。)
- 失敗から学び続ける人は、学ばない人よりも日々先へ先へ進んでいく。 では「失敗から学ぶ」とは具体的にはどういうことか? 「同じような(抽象的には同一の)一連の手順があった時に、 失敗しないように行動する」ということだ。 つまり、プロセスを可視化し、改善するのだ。
- 今のままの仕事を続けたい、改善の努力なんてしたくない。 これは「正常な反応だ」と認めるべき。 大義名分を掲げ、プロセスを可視化し、プロセスの効率性を測定し、 課題を分析し、改善策を厳選する、という壮大な手順は、 「やらない言い訳をする」という「正常な反応」を、 丹念に潰す手順でもある。
- いっぱい知識を持っているのに、 仕事や生活に役立てられないのは勿体ない。 だから、知識をプロセスに翻訳すると良い。 開始条件(トリガー)を明確にし、 条件発動時に一連の手続きが自然と流れるようにする。 最初は設計が面倒だが、習慣化してしまえば何てことはない。
◆ 目標定義
- この作業は『誰の笑顔のために』やっているのか。 ――これを明確にすれば、自ずと効率化や高度化の方針は定まる。 逆に、「なぜやっているのか誰に聞いても分からない」作業なら、 思い切ってやめてみよう。 プロセスの良し悪しは、「目的」に照らして判断するべし。
- プロセスの改善目標を定める際に、 「まず」顧客の生の声(VoC)を集めておくことは決定的に重要。 さもないと、独り善がりの誰も喜ばない改変に 多大な労力・時間を浪費してしまうかも知れない。 VoCを十分に集めていない状態に『恐怖』を覚えるくらいが丁度良い。
- 【プロセス思考】において最も重要な要素は「顧客は誰か」だ。 消費者に直接、商品やサービスを提供して対価を頂くケースでは難しく無いが、 会社や組織が複雑に絡んでいるケースでは自明ではない。 後工程が常に顧客とも限らない。 「プロセスの出力の対価に決定権を持つ者」が顧客である。 プロセス改善の前に、誰が顧客なのかを明確にしよう。
- 迷って行き詰まったら、「どうなりたいか」に立ち戻ろう。 行き詰まりの原因は、「迷わなくてもいいことに迷っていた」か、 または「どうなりたいかを鮮明には思い描けていなかった」か、 どちらかだと判明するだろう。 目的が鮮明でないプロセスは、迷いを産みやすい。
◆ 可視化
- 理想と現実のギャップを明らかにし、目標と期限を定めたら、 直ぐに現実を「見える化」せよ。どんなプロセスが実行され、 どんな速度・工数・品質なのか、「事実」を押さえる。 原因分析や改善策の前にデータを揃える。 さもないと、改善活動は勘と経験と度胸に頼るハメになる。
- 改善したい作業については、面倒でも、連番を振りながら、 一つ一つ文章で見える化しなければならない。 多くの場合、「自分がやっている作業だ、自分が一番よく知っている」 と考えて思い出せる作業『以外』の作業、作業と作業の『隙間』に、 問題やムダの原因が潜んでいるから。
- スイムレーンフローチャートを書いてみよう。なかなか書けないから。 ルールが不明確、どっちの部署の責任で決めるかが曖昧、 開始条件が不明、特定の人に依存していて中身が分からない、等々…。 チャートに書けない理由が、そのまま業務改善のタネになる。
- 「もっと前に、やっておくべきことがあったのでは?」 これは思考をプロセス脳化する万能質問。 準備や計画の漏れ・日々の情報収集不足・制度やルールの曖昧さ・ 上流工程の部署の低品質、などなど、足元ばかりでなく、 プロセス全体を俯瞰するキッカケを得られる。
- プロセス文書化といえばフローチャート(左図)。
でも描くのは意外と面倒。先ずは文章で箇条書きにするだけでも良いのです(右図)。 その際、必ず【連番】を振ってください。番号を振るだけで、
頭が動き出し、魔法のように抜け漏れなく
正しいプロセスを書き下せるようになります。
- プロセスを描けたら、時間・工数・品質などの計測指標を定義できる。 せっかく定量値が得られたら、平均値だけでなく バラツキ(分布・標準偏差・p値など)を見よう。 平均は直ぐに頭に入るが、 バラツキの可視化は一手間かかる。でも、そここそが改善機会の宝庫なのだ。
- 改善のためには工数・期間・歩留まり等の定量値について、 プロセスを定規にした測定が欠かせない。 さもないと勘と経験と度胸に逆戻り。 しかし、データ採取には手間がタップリかかる。 だからこそ「行動に繋がらないデータは採取しない」という原則を守らねばならない。
- 改善・改革の対象範囲と目的を決めずにプロセスを描きはじめてはいけない。 際限がなくなるし、粒度も決まらないから。 プロセスを描く前に、コスト・リードタイム・品質などを 測りはじめてはいけない。 「何を」測っているのかの合意が得られず、混乱を招くから。
- なぜ【悪玉プロセス】がしぶといのかというと、 「意識外の」上流工程や作業の隙間に問題の原因を匿しているからだ。 ちゃんと端から端まで「一連の」プロセスを(努力を払って) 隙間なく意識化・文書化しないと、 悪玉プロセスを改善し始めることすらできない。 見えない幽霊は退治できない。
◆ 分析
- プロセスで考えるとは、思い出せる作業を時間順に並べることでは無い。 一連性に沿って、 「意識している作業よりも前(上流)で 起こっていることは何か」 「意識している作業と作業の間に、不要な作業が挟まっていないか、 無用な待ち時間が無いか」に着目するのだ。
- 思い付きのプロセス改善案に飛びつくなかれ。 その前に「それは本当に解決したい問題か」 →「それは本当に事実か」 →「それは本当に真の原因か」 →「それは本当に費用対効果の高い改善策か」をチェックすべき。 この「それは本当に」を一つでも外すと、 的外れの改善策に飛びつくハメになる。
- 何か問題が生じると、ヒトは、ろくすぽ原因を分析せず、 様々な対策の比較検討もせず、 思いついた応急手当に飛びついてしまいがちだ。 「プロセスの、もっと上流や、手順の隙間に、本当の原因があるのでは」と、 しつこく原因分析に踏み止まれる人だけが、同じ失敗を繰り返さなくなる。
- 「探す」「溜める」「待つ」は「悪」。 価値を生み出さない。人生の時間を無駄に捨てる。 探したら負け。溜めたら負け。待ったら負け。 常にプロセスを見直し、「探す」「溜める」「待つ」をゼロに近づけ続けよう。
- 何かを始める時いつも「面倒・億劫・後回し」になりがちな事は? その作業に「探す・悩む・多過ぎる」要因が無いか? ならば「整理・ルール化・単純化」できないか? 徹底的に考えるべき。しかし、もっと大事なことがある! ―『その作業の価値を本当に理解しているか?』 『その作業は、誰の笑顔のためにやっているのか?』
- みんな「良くしたい」と思っているが、 評価も原因分析も大雑把過ぎるのだ。 「何が問題か・どこが問題か」 「その問題はプロセスのどこに起因するのか」 「まさにその真因だけを確実に改善する対策は何か」と、 一回真剣に考えれば幸せになれるし、そのスキルもあるのに、勿体ない。
- プロセスの生産性を下げている要因のうち、
「影響度が大きく、制御しやすい」ものだけに、先ずは集中しよう。
多くの人が、「自分にはコントロールが困難なこと」
(相手の心、法律・社規、上司の能力、等々)に愚痴を言い続け、
貴重な人生の時間を大量に浪費している。
- 生産性を上げろと言われると、皆さんトテモ真面目なので、 主作業の方式変更や自動化などを考える。 でも、そこはもう殆ど改善をやり尽くしている。 その周辺の「待ち・やり直し・検索・棚卸・移動・記録・報告」や 「必要以上の制作や装飾」の方が、改善の余地が大きい。
◆ 改善
- ゼロベースで、荒唐無稽と思われるものを含めて、 多くの改善策の候補を洗い出しきってから、 費用対効果の高い改善策を採用しよう。
- 定常業務・改革業務・管理業務・家事・趣味・学習・運動。 残業もできず増員もなく色んなタスクが並列に増えていく。 緊急度だけの優先順位付けでは重要なタスクが後回しになる。 だから、各タスクを「分解」し、隙間時間で少しずつでも進められるよう、 プロセスを組み換えよう。
- 気分が乗らない日もあるし、ヤル気の出る時間帯もある。 だから、一連の作業プロセスを、成果物が確定する単位に分解しておいて、 「いま一番適している(ヤル気になれる)作業をやる」。 早朝のクリアな頭では企画だけ考える、とか。 夜の疲れた時間帯は単純作業に充てる、とか。 無理は続かないから、小分けに進められるようにしておこう。
- ルール縛りのキツさに応じて作業を分解しよう。 ルールに完全に従う単純作業はロボット化。 複数解の比較が必要なら人工知能。 柔軟性が必要なら人間。 創造性まで必要なら高単金の優秀な人。 …個人の中の「気分が乗っている自分」と「そうでない自分」で時分割しても良い。
- 紙・メール・ファイルを入手したら「まず分別」。 (1)廃棄棚 (2)要作業 (3)法定保管 (4)念のため保管 (5)思い出に保管。 …そして、この(5)は半年毎に見直し半分捨てる。 (4)は毎月見直し基本全部捨てる。 (2)(3)は時系列に整理。
- 「探したら負け」。「探す」時間は、ゼロにすべし。 探すのに時間がかかり過ぎたら、思い切って全ての作業を止め、 (1)いらないものを徹底的に捨て、 (2)置き場所のルールを決め、 (3)残ったものをルールに従って再配置し、 (4)今後増えるものも必ずルールに従って置く。 …このプロセス改善は、最優先。
- (1)捨ててから (2)仕入れなさい。 この順番が大事。人間も組織も、能力や資産は有限。 現代は大量の技術や知識を仕入れ続けねばならない時代なので、 古いものは猛烈な勢いで捨てねばならないはず。 「捨てるのが下手=生き残れない」という時代なのだ。 これは事業ポートフォリオでも同様。 先ずは撤退する事業を決めてから、 新規事業を検討しよう。
- プロセスが標準化されたら中央集権処理に、 変化が激しい時は分散処理に。 例えば、クラウドシステムは、 「プロセスの安定化した情報処理は中央集権的に処理せよ」という、 ネットワーク技術の進化を背景としたプロセス改善である。
- 所要時間の不確実性が高いタスクXがある時、 (A案)先にXを片付けて安心する (B案)先にX以外を着実に進める、どちらが良いだろう? …もし、いざとなったらX無しでも何とかなるように調整できるなら、 B案が良い。そうでないなら、A案が良い。
- 究極秘奥義。行動は 『いつまでに(日付 by date) 誰が(一人の名前 by name) 何を(具体的成果物 by output)』で定義すること。 「来月下旬までに第二課全員で認識を変える」では行動定義にならない。 「6/21(金)までに鈴木君が第二課全員から自己チェック結果を受け取る」 なら行動定義になる。
- 日本人には意外と知られていない『狩野モデル』。
欠陥を無くす減点法の「当たり前品質」だけでなく、
加点法の「魅力的品質」を高める思考回路が必要だ。
プロセス改善で生産性を上げたら職が無くなるという発想には、
魅力的品質を高める設計プロセスが欠如している。
◆ ビジネス
- 儲からない会社は「いまあるものを120%活用しよう」と 延々ボトムアップに考え続ける。 儲かる会社は「世界全体の商機の10%を3年以内に現金化しよう」 とトップダウンに考える。 つまり「手元に見えているもの」からではなく「全体」から具体化していく。 これが「勝つための事業構想プロセス」だ。
- ビジネス立ち上げプロセスは 「顧客理解」→「競合の強み・自社の弱みの理解」の順で。 「私にはこれができます」と並べ立てる人よりも、 「私に何ができるかは未知数ですが、顧客ニーズは明確に把握しています」 と言える人の方か、ずっと信頼できる。
- そろそろ定年退職が近いベテランの方の頭の中だけにある仕事の進め方を、 (1)プロセスとして「見える化」し、 (2)誰でも実行できるよう効率化・標準化し、 (3)継続的に改善できるよう業務マニュアル化しよう。 そして是非、(1)→(2)→(3)の進め方自体も標準プロセス化しよう。
- ハラスメント防止・生産性向上・女性活躍推進等は、 全てプロセスに組み込もう。 皆で(人ではなく)プロセスを改善するのだ。 人対人の感情問題にしたら皆が疲弊してしまう。 あと、100%は目指さないこと。 誰もが完全な人間だが、ある時点では職場の20%は問題児で良い。
- 日本にはまだ「会社のために24時間働けます、 会社に尽くします、家庭は妻に任せているので大丈夫です」 という男性がジャブジャブ入手できた時代の 経営・管理・運営手法が根強く残っている。 この「人間資産」を「プロセス資産」に吸い上げない組織は、 頓死のリスクを抱えている。
- 企業において「プロセスで考える」とは、
担当者や組織の現時点での機能分担は一旦忘れて、
プロセスの端から端まで(End-to-End)の全体最適化を目論む、
ということ。自分・自組織の改善の余地は一般的に小さいが、
End-to-End での改善の余地は、タップリ残っている。
- 日本企業の管理職の多くは「プレイヤー・マネージャ・リーダ」全部入りを期待されている。 全ての皺寄せを一身に受けると即死するので、 必死に業務プロセスを形式知化して部下のスキルアップを図り、 自身のプレイヤー比率を下げ、プロセス毎の顧客と目標を明確化し、 マネジメントに専念していくべき。 (プレイングマネージャを良しとせず、大胆に権限移譲していくべき。)
- 「判断」は、それが含まれる一連の手続きの目的に照らして、 判断基準を「予め」決めて(合意して)おこう。 選択肢がある場合は「優先度の観点・軸」を2つ程度に絞っておくと良い。 その場になってアレコレ悩むと、時間の無駄だったり感情に流されたりしやすい。
◆ 生活
- 大事な用事に遅刻したくなければ、 (1)朝起きて(2)身支度し(3)家を出て(4)交通機関を利用し(5)目的地に到着するまで、 それぞれの途中経過の目標時刻を分単位で想定しておこう。 「家を出る目標時刻」だけだと、その他の段階での遅れに気づくチャンスが減ってしまう。
- 「太るのは、運動不足で食べ過ぎだから」では“ない”。 運動が苦手な原因や、つい食べてしまう弱さについて、 分析不足だからでも“ない”。それよりもずっと手前の問題。 「理想的にはどうなりたいか」「いつまでにどの程度になりたいか」が、 ボンヤリしているからなのだ。
- うまくいかない時は本来の『目的』を思い起こそう。 …親が子供に勉強を教える際、「子供の学力を伸ばす」という本来の目的を見失い、 「自分に服従させること」「目の前の宿題を片付けること」という手段が目的化すると、 怒りで子供を捻じ伏せるだけの拷問になりがち。
- 朝の動線に登校時の持ち物チェックリストを貼って一週間。 出がけに小学生の息子が「チェックリスト、ちゃんと使っているよ。ママとの喧嘩が減ったよ」 と言ってくれて、パパ小さくガッツポーズ。
- 多くの人が(A)「自説を展開する→周囲の反応に一喜一憂する」 というプロセスを踏むが、少し変えて (B)「周囲を良く観察する→仮説を立てる→自説を展開する→反応を見て仮説を検証する」 というプロセスに改善した方が遥かに実益が大きい。(B)を日常生活の癖にしよう。
- 何かイライラしているなと感じたら、その原因が 「自分でコントロールできるか否か」を冷静に確認しよう。 できるなら前向きに対策を考えれば良い。できないなら忘れればいい。 自分ではどうしようもないことにイライラし続ける時間は、全くの無駄である。
- 相手を動かしたい時、どうするか。 「悪玉プロセス」(1)相手の欠点を責める→(2)高圧的にやらせる。 「善玉プロセス」(1)相手の心境を聴く→(2)現実と目的に共感する →(3)「相手が避けるべきこと」でなく「相手にして欲しいこと」を伝える →(4)やれない理由を取り除く。 「やれない理由を取り除く」方法は、幾つかある。 (a)時間・お金・権限を与える (b)ハードルを下げる (c)実行や成功の制約条件を緩和する (d)失敗時のリスクを小さくしてあげる (e)君ならできると信頼を伝える。 …最初の一歩を踏み出してくれさえすれば、人は自分で自分自身を高めていくものだ。
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のために

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